Critics
“レクチャーシリーズ:批評と芸術(2024年2月3日、10日、17日開催)”
このたび、芸術批評の活性化を目的として、批評活動を行う若手〜中堅層の書き手の発表機会創出、また多角的な視点から意見交換を促進するレクチャーシリーズを企画します。
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批評はいつでも、現在という時空間への拘束から思考を解き放つ特権的な事件として存在します。
批評とは、あるものの正しさをことさら言い立てるものでも、特定の立場や利害を代弁するものでも、価値判定のための弁明でもなく、つねに、新たな思考を立ち上げる特殊な場の発明と創造に関わっているからです。
本レクチャーシリーズは、未来の芸術批評を担う新たな才能とともに、そのような批評の場を召喚する試みであり
参加レクチャラーがそれぞれの関心に基づいた発表を行い、現在どのような問題が批評的な課題として抱えられているのかを発表し、議論を促進します。
個々の関心領域で抱える課題と展望をめぐる議論から、言説を軸とした専門家の交流やネットワークづくりを活性化させることを目指します。
■ 概要
企画名|レクチャーシリーズ:批評と芸術
会 場|六本木アルスクーリア(東京都港区六本木6丁目4−1 六本木ハリウットビューティープラザ 4F)
六本木アルスクーリア(2022-)は、批評家や研究者、キュレーターらによる連続講座やシンポジウム、アーティストによるトークイベントなどを開催するほか、芸術・美術分野以外の専門家や研究者の方々を招き、幅広い問題を議論するプログラムおよびその場所の呼称です。
定 員|各回20名(無料)
言 語|日本語のみ
■ 各回実施レポート
第1回「変異する文化史」 2024年2月3日(土)
レクチャラー|きりとりめでる、gnck、仲山ひふみ
第1回実施レポート[PDF]
第2回「行為と行為者」2024年2月10日(土)
レクチャラー|大岩雄典、関貴尚、高橋沙也葉
第2回実施レポート[PDF]
第3回「表象の肌理」2024年2月17日(土)
レクチャラー|高嶋慈、塚田優、南島興、村上由鶴
第3回実施レポート[PDF]
■ 各回レクチャラー
第1回「変異する文化史」 2024年2月3日(土)14:00〜17:30
⚫︎ きりとりめでる
1989年⽣まれ。デジタル写真論の視点を中心に研究、企画、執筆を⾏なっている。著書に『インスタグラムと現代視覚⽂化論』(共編著、BNN新社、2018)がある。2022年に「T3 Photo Festival Tokyo2022」のゲストキュレーター、『写真批評』(東京綜合写真専門学校出版局、2023)の編集委員を務めた。2024年には『パンのパン4(下)』を発行予定。ウェブマガジン「artscape」の月評を担当。AICA会員。
@kiritorimederu (X/旧Twitter)|@kiritorimederu(Instagram)
⚫︎ gnck
評論家。美術批評。1988年東京生まれ。「画像の演算性の美学」を軸に批評を展開する。 近年の論考に「電子のメディウムの時代 画像の演算性の美学」「ピクセルアートとピクセル・(イン)パーフェクト 豊井祐太の感性」「デジタル画像とエディション」ほか。
@gnck(X/旧Twitter)
⚫︎ 仲山ひふみ
批評家。主な寄稿に「「ポスト・ケージ主義」をめぐるメタ・ポレミックス」(『ユリイカ』2012年10月号)、「聴くことの絶滅に向かって──レイ・ブラシエ論」(『現代思想』、青土社、2016年1月号)、「加速主義」(『現代思想』、青土社、2019年5月臨時増刊号)、「マーク・フィッシャーの思弁的リスニング」(『ウェブ版美術手帖』2019年9月5日)、「ポストモダンの非常出口、ポストトゥルースの建築──フレドリック・ジェイムソンからレザ・ネガレスタニへ」(『10+1 website』2019年10月号)、「「リング三部作」と思弁的ホラーの問い」(『文藝』、河出書房新社、2021年秋号)。また、手売り限定の批評誌『アーギュメンツ#3』(2018年6月)を黒嵜想とともに責任編集。
第2回「行為と行為者」2024年2月10日(土)14:00〜17:30
⚫︎ 大岩雄典
美術家。インスタレーション・アートという芸術はどのような時間や空間が扱えるか、という問いの過負荷実験。たとえば具体的には、ホラーに感じるこのまま死ぬんだろうというプロセス(《無闇》、2021)、予防接種のときの時間に直接ふれているような居心地の奇妙さ(《悪寒》、2021)、ルールが簡単なほど根深く吹き込まれること(《渦中のP》、2022)、利ざやの味(《margin reception》、2021)、カードゲーム状のインスタレーション(《カードゲーム》、2022-)などを制作。『現代思想』(青土社)や美術系同人誌『パンのパン』に寄稿。東京芸術大学院映像研究科博士後期課程。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科メディア芸術コース非常勤講師。
euskeoiwa.com|@rovinata_ (X/旧Twitter)
⚫︎ 関貴尚
1990年生まれ。美術史。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了。日本写真芸術専門学校講師。最近の論考に「ファウンド・リアル——映像経験のパラドクス」(『映像なしの映像経験』、2022)「イデオロギーとの別れ——T・J・クラーク「グレイ・パニック」を手がかりに」(『ユリイカ』、青土社、2022年6月号)。共著に『政治の展覧会:世界大戦と前衛芸術』(EOS ART BOOKS、2020)。
⚫︎ 高橋沙也葉
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程在籍、および日本学術振興会特別研究員(DC1)。1960年代の彫刻とその記録を中心に、アメリカと日本のアートシーンの交差の研究を行う。デューク大学アジア・太平洋研究センター客員研究員(2022〜2023年)。現在アートワーカーズ翻訳プロジェクト実行委員会の代表としてジュリア・ブライアン=ウィルソン著『Art Workers: Radical Practice in the Vietnam War Era』(University of California Press、2009)を共訳中。
researchmap|@sa_ya_ha (X/旧Twitter)
第3回「表象の肌理」2024年2月17日(土)15:00〜19:00
⚫︎ 高嶋慈
美術・舞台芸術批評。京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員。ウェブマガジン「artscape」と「京都新聞」にて連載。近刊の共著に『百瀬文 口を寄せる Momose Aya: Interpreter』(美術出版社、2023)。「プッチーニ『蝶々夫人』の批評的解体と、〈声〉の主体の回復 ─ノイマルクト劇場 & 市原佐都子/Q『Madama Butterfly』」にて第27回シアターアーツ賞佳作受賞。論文に「アメリカ国立公文書館所蔵写真にみる、接収住宅と「占領」の眼差し」(『COMPOST』vol.03、2022)。共著に『不確かな変化の中で 村川拓也 2005-2020』(林立騎編、KANKARA Inc.、2020)、『身体感覚の旅──舞踊家レジーヌ・ショピノとパシフィックメルティングポット』(富田大介編、大阪大学出版会、2017)。
⚫︎ 塚田優
評論家。1988年生まれ。主な共著に『グラフィックデザイン・ブックガイド』(グラフィック社、2022)、最近の寄稿に「KYNEと江口寿史──あるいはゾンビ・ポップの予感」(『美術手帖』、美術出版社、2023年10月号)がある。
ytsukada.themedia.jp|@yasashiiseikatu (X/旧Twitter)
⚫︎ 南島興
横浜美術館学芸員。1994年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了(西洋美術史)。全国の常設展・コレクション展をレビューするプロジェクト「これぽーと」主宰。旅行誌を擬態する批評誌『LOCUST』編集部。神保町のオルタナティブ・スクールPARAでの連続レクチャー「美術史の門前」担当。『アートコレクターズ』(生活の友社)展評連載のほか美術メディアへの寄稿多数。2023年に初の単著『坂口恭平の心学校』(晶文社、2023)刊行。
⚫︎ 村上由鶴
1991年埼玉県生まれ。写真研究、美術批評。日本大学芸術学部写真学科助手を経て、東京工業大学大学院博士後期課程在籍。公益財団法人東京都人権啓発センター専門員。POPEYE Web「おとといまでのわたしのための写真論」、The Fashion Post「きょうのイメージ文化論」などウェブ媒体で連載を持つ。2023年8月に初の単著『アートとフェミニズムは誰のもの?』(光文社、2023)を刊行。
www.yuzumurakami.info|@yuzu_murakami(instagram)
■ 申し込みフォーム
2024年2月 3日(土)14:00〜17:30
第1回「変異する文化史」
きりとりめでる/gnck/仲山ひふみ
※定員に達したため受付は終了いたしました。
第1回 (2月3日)参加申し込みフォーム>>
2024年2月10日(土)
14:00〜17:30
第2回「行為と行為者」
大岩雄典/関貴尚/高橋沙也葉
※定員に達したため受付は終了いたしました。
第2回(2月10日)参加申し込みフォーム>>
2024年2月17日(土)
15:00〜19:00
第3回「表象の肌理」
高嶋慈/塚田優/南島興/村上由鶴
※定員に達したため受付は終了いたしました。
第3回(2月17日)参加申し込みフォーム>>
■ モデレーター(全回共通)
⚫︎ 沢山遼
文化庁アートクリティック事業 ディレクター
美術批評家。1982年岡山県生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。2009年「レイバー・ワーク―カール・アンドレにおける制作の概念」で美術出版社主催「第14回芸術評論募集」第一席。単著に『絵画の力学』(書肆侃侃房、2020)、主な共著に『絵画との契約 山田正亮再考』(松浦寿夫ほか、水声社、2016)『現代アート10講』(田中正之編、武蔵野美術大学出版局、2017)などがある。Yumiko Chiba Associatesが主宰する批評集『クリティカル・アーカイブ』のシリーズの監修も行う。令和2年度文化庁「新進芸術家海外研修制度」研修員としてニューヨークに滞在。
⚫︎ 千葉由美子
文化庁アートクリティック事業 副ディレクター
Yumiko Chiba Associates代表取締役。1998年アーティストマネージメントおよびアートプランニングオフィスとしてYumiko Chiba Associatesを設立。高松次郎、吉田克朗、眞板雅文、柳沢信のエステートおよび2010年にオープンした自社ギャラリーの運営、アーティストのプロモーション・管理業務を手がける一方で、国内外の美術館での展覧会企画の他、アート・バーゼル香港、パリ・フォトなどの国際的なアートフェアへ出展している。またアーティストについての歴史的な理解を促し、社会的な認知度を高めるため、評論家のテキストを掲載した研究冊子を多く出版。2022年に六本木に移転するとともに、芸術・美術分野以外の専門家や研究者も招き、幅広い問題を議論する場、「六本木アルスクーリア」を立ち上げる。
■ 組織体制
ユミコチバアソシエイツ
文化庁
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ディレクター:沢山遼
副ディレクター:千葉由美子
プログラム・アドミニストレーター:三木茜
アドバイザリー・コミッティ:原久子、高橋綾子、山本浩貴
お問合せ|critics.project.office@gmail.com(担当:三木)