YUMIKO CHIBA ASSOSIATES

Exhibitions

“‘Between the Lines’ – Jiro Takamatsu, Agnes Martin, and Sol LeWitt”

高松次郎は、最初のシリーズとなる点シリーズの後、「線」の概念を用いた紐というシリーズを始めますが、長さという特徴 だけをもつ非物質性と抽象性はその後の多様な展開へとつながり、定義の追求は晩年の形のシリーズまで続きました。

「線」は皆が知っている数学の基礎的な概念ですが、実は誰も明確な原理を知りません。 ユークリッドは「線」について、「線とは幅のない長さである。」と述べていますが、「線」には重さも厚みもありません。 その一方で、「線」は私たちが存在する世界や社会を仕切るものとして使われてきました。物事の水準を表し、物の輪郭とな り、全ての物事を認識または決定する境目の役割を果たしています。 ですが、その定義は極めて曖昧で、外面上は点の連続体であり、平面上または空間内で面が交わるときにできる一続きの終わ りのない形です。

一定のサイズの正方形のキャンバスや紙の上に、グリッドや水平のラインのみを用いたスタイルで生涯にわたり線を描き続け たアグネス・マーティン。 ソル・ルウィットは、彼が3次元の作品を表すときに好んで用いていた”ストラクチャー”という用語に従い、線と面と色を 使って幾何学的な形状や線状のパターンを多様な配置で展開し空間を作り続けました。

Between the Lines というタイトルには、文字通り「線の間」で何を思考し思索したかということですが、そこには Read between the Lines という意味も含まれています。
つまり、言外の意をくみ取ることと、線の外で何が行われたかということです。
本展にぜひ足をお運び頂ければ幸いです。

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